のあ948 K玉珈琲店♪


トルコ旅行ブログ、更新しました。こちら→『ガリポリの戦い』

友達のK玉さんが、念願の品をとうとう手に入れました。何かというと…
ネスプレッソ←くわしくはここを見てね。それなあに?コーヒーメーカーなんですが、粉がミルクのポーションみたいなカセットに入っているのです。それをポンと機械に入れてボタンを押すと美味しいエスプレッソができるのよ♪

幾度かデパートで見かけ、試飲もしていいね、欲しいね、と話していたのですが、とうとうお買い上げになったとか。飲みにおいでとお誘いをいただいたのでさっそくでかけてきました。

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こんにちは~♪
K玉さんの愛犬ショコラちゃんがお出迎え。

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おお、買ったじゃん、すごいじゃん★
トルコ最後のホテルでも、朝食の時こういう珈琲メーカーのどでかいのが設置してあって、珈琲を淹れて飲んできたのです。

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アメリカンも淹れられますがとりあえずはエスプレッソを…う~ん、おいちい(^^♪

今度デパートで買ってくるから、ワタシ用のカセットを一箱、キープしておいてもらいたいですぅ(笑)

by pleiad-subaru | 2008-08-28 21:55 | 美味しい話

のあ947 バカです(~_~;)


トルコ旅行ブログ、更新しました。こちら→『イスタンブールのホテルは結婚式♪』

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はあ~、自分のバカさ加減にほとほと愛想がつきましたわ。(あっ、花はムクゲです)

何をやったかといいますと…トルコブログのパスワードがわからなくなり、自分のブログに入れなくなりました。(-_-;)新しく立ち上げる時はメモ帳に書いておくのですが、今回に限って書いてなかった。
だいたいすべてのパスワードをひとつで済ませているので、てっきりソレだと思ったのですけど。「パスワードを忘れた時用」の秘密の質問「トプカプ宮殿の秘宝は?」の答えも、たしか「トプカプダガー」にしたはずなのに、それも違うって言われるのです。

で、どうしたかといいますと…もう一度別のブログを立ち上げてお引越しいたしました。バカだわ、ほんと。いただいたコメントもお引越しさせていただきました。くすんくすん。無駄な時間を費やしてしまいました。というわけなので、もし前のURLをお気に入りに入れてくださった方がいらしたら訂正してくださいね。申し訳ありません。m(__)m ぺこ。

『ボスポラス…』開けてスキンが早くも変わってると思われた方、そーいうわけなんですの。
やれやれ、スカスカしてきた脳みそを過信するのは金輪際やめにして、メモ帳を片手に生きていくのだわ、これからの私。
こんな私のブログですが、これからもどうぞよろしくです(^_^;)

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キツネノカミソリの群落です。私のお散歩コース、日の当たらない木陰の斜面に群生しています。去年お散歩していて偶然見つけました。
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ちょっと前に元気ばばさんのところでオオキツネノカミソリの群落を見せていただいて、こちらもそろそろかなと見に行ったのです。三脚につけたカメラを担いで来ている男性もいました。あんまり知られてほしくないなと、勝手な私です。

by pleiad-subaru | 2008-08-26 21:59 | いろいろ☆

のあ946 見切り発車♪

お待たせいたしました。見切り発車ではございますが、トルコ旅行ブログ本日立ち上げました。
気取りまくりまして『ボスポラスの風』>(←こちらをクリック)なんちって。

ボスポラス海峡は黒海とマルマラ海を結ぶ海の要所、更にダーダネルス海峡を経てエーゲ海へとすすむ拠点です。

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写真はイスタンブールのホテル前でであった、トルコにゃん1匹目のアメショちゃん。(トルコ、猫多いです。うれしい♪)

Mr.Taner、 please click here. →>

by pleiad-subaru | 2008-08-23 00:08 | お知らせ

のあ945 留守番部隊♪

カッパドキアの「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩群です。
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(トルコ旅行記は別立てでUPすべく、ただいま鋭意準備中でございます。しばしお待ちくださいね)

さて、留守番部隊。ここから下の写真はすべてKazu撮影です。
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「ユリが咲いたら写真を撮っておいてね」と言い残してでかけた私。Kazuは約束を守って写真を撮っておいてくれました。それも、のあままの家に行くその朝に咲いたそうです(^_^;)
バケツと白い縄みたいなのはちゃこママさんに教わった自動吸水装置です。おかげで枯れた植木はひとつもありませんでした。14日の朝まで水をやってくれてたKazuももちろんですが、暑い中頑張ってくれた装置君にも感謝。

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これはツバメアサガオです。この花もつぼみがい~っぱいついていたのに、咲いてくれてなかったの。

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こちらのアサガオは去年のこぼれ種から生えてきました。ちゃんと律儀に花を咲かせている健気さ。(^^♪緑の葉はフウセンカズラです。風船がうれしくなっちゃうくらいさがっていました☆


電車を乗り継いでKazuが向かったのは西武新宿線沿いののあままのマンション。
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しょうがにゃいにゃあ、
かずにいちゃん、にゃ~くんがめんどうみてやるからねっ。


…男(“元オトコノコ”含む)同士で頑張ってくれた留守番部隊でした♪

by pleiad-subaru | 2008-08-21 22:53 | にゃごの話

のあ944 ただいまです♪


とりあえず 無事帰ってまいりました。空き巣にも入られず、地球侵略隊の白百合さんも咲いてくれてます。よかったぁ。
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ソウル乗り継ぎでインチョン空港で5時間以上待ちました。文庫本一冊読み終えました(^_^;)

写真は言わずと知れたトロイの木馬です。パソコンを開けるのは明日から。きっとどでかい写真になってるんでしょうね。明日直します。

by pleiad-subaru | 2008-08-18 23:23 | おでかけおでかけ♪

のあ943 行ってきま~す♪


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私たちを乗せる大韓航空706便です。成田は曇り空。 行って来ます(^O^)/

by pleiad-subaru | 2008-08-10 09:03 | おでかけおでかけ♪

のあ942 留守番のあ♪

ひっさしぶりにのあままのお家に行ってきました。去年新居に越してから車でしか行ったことのないKazuに電車での行き方と駅からの道を教えかたがた、のあに会いにいったのです♪

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おお、のあ 元気だね~♪
実はカラスの羽根を拾って行きました。シロリンがカラスの羽根に狂ってる写真を前にもらっていたので喜ぶかなと思ったのです。
写真ではすましていますが、このあと軽く狂いました。歯を立ててころがってました。鳥の臭いがするよね~。(あっ、シロリンの写真が無い。どこへ保存しちゃったんだろ。旅行に備えてメモリースティックの中身を外付けHDDに移したついでに本体に保存していた写真もだいぶ移したからなぁ)

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のあ、どこ見てるの?向こうに見えてるTシャツはKazuから姉への貢物です。9月3日の誕生日先取りなのかしら。ピンクの3匹の象とミッフィーのプリント。体育の時間とかにTシャツは必要なのです。


のあままとSyuさんが14日から北フランスなので、Kazuはキャットシッターでくることになっています。のあのごはんのありか、ディスポーザーの使い方、ゴミの出し方、近くのスーパーの場所などをいろいろ聞き込んでメモをとっています。ごくろうさん。


Kazuの食料のために、ここあてにベーグルをネットで買って送っておきました。エル・クアトロギャッツなんたって黒ねこさん★「真夏の夜の黒猫セット」っていうのを頼んでみました。行く日にあわせて配達を頼んでおいたので、ちょうど到着したところでした。のあままがせっせと冷凍庫に詰めてくれてありました。食べていいのよ~♪
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黒ねこ in 黒ねこBOX。

そうそう、白井の名産、幸水梨もそろそろ出てきました。このあいだお散歩に行った時直売所で買ってきていたので少し持って行きました。ブルーベリーも少々♪
さっそく「梨がきたよ~」と写メを送るのあまま。Syuさんは梨が大好物なんです。
梨の袋は当然…
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「これって虐待だよね」…自爆しているのあまま。意外に平然としているのあ。

7時過ぎにスーツケースを集荷に来るので、早々帰ってきました。
「気をつけてね」「あなたたちもね」のあとKazuだけお留守番です(^_^;)

by pleiad-subaru | 2008-08-09 15:50 | にゃごの話

のあ941 熱帯夜♪

このところ熱帯夜が続いていますが、タイトルの熱帯夜はちょっと違います。ゴスペラーズの曲ですが、私はこの曲を妹のKakkoちゃんのメールの着信音に設定しているのです。
その熱帯夜♪が鳴りました。
日本にいないはずの彼女からメールです。彼女はひとあし先に3日からでかけています。6時間遅れのトルコから送ってきているのです。



サフランボルという中世の町です001.gif。成田から15時間くらいかかった008.gif思った以上に遠い。携帯は何もしなくても日本とトルコの時間を表示し055.gifもガンガン072.gif50円ならまっいいか~です058.gif明日はいよいよカッパドキア053.gif 
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docomoすごいなあ。これで50円ですむの?地球上どこからでもブログが更新できますね。
もう携帯もパソコン並みだわ。
私はソフトバンクなので、国際ローミングサービスに申し込まねばならず、料金も1通300円以上かかるみたいです。なのであちらからの携帯での更新は残念ながらできません(^_^;)
食指は動きますが、機種交換したばかりだしなぁ。

今朝、もう1通。あちらは真夜中ですね。



今洞窟ホテル072.gifウチヒサール トルコぶろ泡マッサージしました049.gifトルコアイスクリームも食べたよん019.gif
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わくわく♪私も行きたいぞ~。今日はトランクに荷物を詰めました。以前旅行した時の残りの米$もひっぱりだしました。メモリースティックも空にしなくては、充電もしっかりしなくては。
トランクの集荷も頼みました。新聞も牛乳も生協も止めました。もうすぐです(^^♪

by pleiad-subaru | 2008-08-06 21:06 | おでかけおでかけ♪

のあ940 「海からの風」

お待たせいたしました(え?誰も待ってない?…困ったな)「海からの風」でございます。
赤ペン編集者から「もったいぶっている書き方、奥歯にものがはさまったような書き方」と言われました物語です(^_^;)
「時代がよくわからない」とも言われましたが、天正年間 織田信長が本能寺で滅ぼされ豊臣秀吉の時代になった頃だとご想像下さいませ。読後感などいただければ幸いです。


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    「海からの風」 


 みやは少し前から気付いていた。ある客が来る時だけ、いつも用事を言いつけられて店をはずされる。はじめは気のせいかとも思ったのだが何度かそういうことが続いているうちに、それは確信に変わった。
 その客は上客らしい。みやの働いているここ兎屋は、当主藤右衛門の掛け声の下何艘もの船を持ち、遠く呂宋あたりまで乗り出しては珍しい異国の品々を購ってくるのだが、どうもその資金となる銭を年に二度ほど運んでくるようだという噂を聞いた。
 その男は本名かどうかしらないが白狐と呼ばれている。みやは顔を見たことが無いが、朋輩のよねやさきがその頃になると毎度大騒ぎをしている所を見ると、多分若くて男前らしい。
どこでどうやって大金を稼いでいるのかは誰も知らないが、帰りには南蛮渡来の珍しいものや美しいものをいくつか直接持って帰る。それがいかにも若い女が喜びそうな細工物やらセミの羽のように透ける美しい布やらで、よねやさきは「妬ける」と言ってはさわぐのである。

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兎屋の女将は厳しいがよく気がまわる人で、みやたち奉公人の娘にも親身になって世話を焼いてくれる。親元を離れて働きに来ている娘達にとっては母親代わりのようなものだ。
その女将がわざわざみやをその客から遠ざけようとするからにはわけがあるに違いない。そのわけがうすうす想像できるからこそ、みやは考え込んでしまったのだ。

みやは幼いとき父と母とをいっぺんに失った。兄とは逃げる途中ではぐれた。
小さな胸にかたきの名をしっかりと刻んで、都までの道を歩きとおしたのはついこの間のような気もするが、指を折ればもう八年も前のことになる。
近所のおばさんに聞いたとおり五条川原の高札に仕事の依頼を貼り付けた。その依頼はまもなく果たされた。みやの両親を死に追いやった男は死んだ。死を願ったのがみやだと知れて追っ手がかかり、ひょんなことから知り合った“おねえさん”の助けでそれを振り切り、死んだと思っていた兄とも再会してともどもここ海の近くまで連れてこられ、兎屋に預けられてそこで働き今日の日があるのだが。

今は店で働いている兄に聞いた事がある。
「おねえさんのこと、覚えてる?」
「覚えてるさ。けっこうきれいな人だったよな」
都で泊まる所がなかったみやの世話を焼いてくれ、その後に兎屋に来て働くようになり、下働きを経て今は船に乗り組んでいるとらにも聞いてみた。
「覚えてるぜ。忘れようったって忘れられねぇや。気が強くって人使いはメチャクチャ荒かったけど、おれたちみたいなガキのことを気にしてくれた人なんてそれまで会ったことがなかったからな」
二人とも気付いていない。みやだって八年前のあのとき川に落ちなければ気がつきもしなかったに違いないのだけれど。

みやは水の中でもがいていた。
息ができない、苦しい。必死で手や足をむちゃくちゃに動かすのだが浮き上がることができない。やだ、このままじゃやだ。死んじゃう、あたし。
 ぐいとひっぱられた。顔が水面に出た。こらえていた息が水と一緒にぶわぁっと噴き出した。
 「みや、みや、落ち着いて。大丈夫だから」
耳もとの声に気がついたのはずいぶんたってからだ。それまでは続きのように身体がバタバタ勝手に暴れていた。その手や足が助けてくれたおねえさんの身体にぶち当たっていたのだ。みやの目が驚きに見開かれた。おぼれかけたことを忘れてしまうくらいの驚きだった。

「もう大丈夫、びしょぬれだから脱いじゃいなさい。天気もいいから岩の上に広げとけばじき乾くよ」
いつものようにしゃきしゃきと言いながらみやの帯をほどくおねえさんをまじまじ見ながらみやは言ったのだ。
「おねえさん…おにいさん?」

今度目を見開いたのはおねえさんだった。
ほんの短い間なにかを計算してるような顔をしたようだったが、すぐにため息をついて言った。半分は独り言のようでみやにはよくわからなかったけれど。
 「ああ。もうしょうがねぇや。みや」
 「え?」
 「人に言っちゃいけないよ、これ仕事なんだから。ちょっとやっかいなことになっちゃうからね」
ばれちゃっちゃしょうがないと言いながら、おねえさん(おにいさん?)はさっさと自分も濡れた着物を脱いで乾いた岩の上に広げた。脱いでみればどう見ても少年で、それまで娘だとばかり思っていたみやは自分が信じられないくらいだった。

 太陽はじきにふたりの着物を乾かし、それをまとったおにいさんはまたおねえさんに戻った。おねえさんはそれ以上何も言わなかったし、みやも何も聞かなかった。
何の得にもならないのにみやを必死で助けようとしてくれているおねえさんが、実は男で女の格好をしているのがどうしてなのか疑問は残ったけれど、黙っていようと思った。
途中で助けられて民家に預けられていた兄と合流し、兎屋に着くまでの短い旅の間もみやは黙っていた。兄にもその話はしなかったから兄はいまでも「やさしかったおねえさん」だと思っている。

 今のみやにはうすうすわかる。
白狐と呼ばれる若者はあのおねえさんではないだろうか。
彼は女将さんの古くからの知り合いだということだ。もしみやの想像通りであれば彼は女性に化けていた過去のことは秘密にしたいと思っているだろう。そして彼の正体を知っている女将さんが、みやを彼から遠ざけようとするのも無理はない。
 でももしそうなら、みやは彼に借りがある。果たさなくてはならない約束がある。彼はみやのことなど忘れてしまっているかもしれないが、みやの方は忘れることなどできない。世話になった女将さんの言いつけに背きたくはないけれどなんとしても彼に会わなくてはならない。

その朝女将さんにおふう嬢さんの供を言いつけられた。思ったとおりだ。入り江に沿った丘の向こうに先代藤衛門の妻、女将さんにとっては姑にあたる人が住まっている。おふうをそこまで送って行くように言われたのだ。
おふうは藤衛門と女将さんの間に生まれた一人娘で今年で八つになる。あの時のみやと同じ年だ。誰に似たのかはっきりした目鼻立ちの美少女で将来が楽しみだと誰もが言っている。そんな年なのに気質は父親に似て海の向こうに憧れているようだ。
活発なおふうは婆さまの家には何度も一人ででかけている。明るいうちならば別にみやが供をしなければならない距離でもない。

登った道を大きく左に折れて海が目の前に広がった時、みやはおふうに向かって言った。
「嬢ちゃま、みやのお願いなんですが今日はお一人で行っていただけませんか」
「あたしはかまわないけど、みやが母さまに叱られるんじゃないの」
「女将さんにはあとでみやがちゃんとあやまります。でもどうしても今日はしなければならないことがあって」
そう言うみやの顔が必死だったからだろう、おふうはうなずいて一人で行くことを承知してくれた。弾むような足どりでおふうが行ってしまうとみやはごくりとつばを飲んだ。
小高い丘の上で道は三方に別れ、おふうが行った道は海にそって下り、反対側の道はお店のほうへ、そしてもう一方の道は別の稜線に沿って遠く続いている。ここで待っていれば白狐が、おねえさんが来る。きっと来る。

木の下の茂みに座り込んでみたが落ち着かず、結局また立ち上がった。
道の向こうに芥子粒のように見えた人影がだんだん大きくなってきた時、胸の動悸が激しくなって息が苦しくなってきた。どういう風に話を切り出したらいいだろう。何年も寝床で考えてみたことなのにいざとなったら何を言っていいのかわからない。
 どうしよう、どうしようと悩んでいるうちに影は人の大きさになってみやの目の前に立っていた。

「あの…」
必死で出した声は裏返ったが、男が行き過ぎようとした足をとめるには充分だった。
みやは相手の顔をまともに見上げた。侍のなりはしているがちょっと吊り加減の澄んだ瞳はみやがよく知っているものだった。そうだ、最初に五条川原の立て札の前で出会った時もその瞳が子供のように水色をしていると思ったものだった。
 「何かな」
声は記憶にあるより低かった。あの時十六、七に見えたのだから八年たった今は二十代も半ばになっているのだろう。八つだったみやも今は十六になっている。
 自分を励ますようにみやは言葉をしぼりだした。
 「私、あの時の支払いをしていません」

 若者は困ったような顔をした、ように見えた。
 「何のことだかわから…」
 「いいえ!」
若者の唇の右端がかすかに上がった。見ようによっては笑ったようでもあった。
 「私は仕事をお願いしてあなたはそれをやってくださいました。私は報酬を払うとお約束しました。だから、だからこうしてお待ちしていました。もっと早くにこうしなければならなかったのだけれど、どうやってあなたにお会いすればいいかわからなかった。だからこんなに遅くなってしまいました」

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 そうだ、いつかみやの家の庭先で隣のおばさんが話していたのだ。
都には「コウガノカゼ」という腕のいい忍びがいる。でも誰もその姿を見たことはない。
彼に仕事を依頼するには五条川原の立て札に仕事の内容と報酬を書いた紙を貼っておけばいい。でも頼まれた仕事を全部引き受けるわけではない。あくまで仕事を選ぶのは彼で、どこで見ているのか選んだ仕事の依頼者に密かに連絡をしてくるのだと。
 だからあの日、払えない年貢の替わりにお館に手伝いに行くと行って出かけた母さんが二日たっても帰って来ず、掛け合いに行った病気の父さんが門番に手ひどく追い払われて殴られ這うようにして戻ってきた家で息を引き取った日、都からのお客人の言うことを聞かずに帰ろうとした母さんが、酔ったお客人に切り殺されていたことがわかった日、みやはまっすぐに都へ向かったのだ。

 立て札の元にたどりついた時、日はだいぶ斜めになっていた。
札は草むらの中に立っていた。聞いたとおり何枚もの紙が貼り付けてあり、そのどれにもたくさんの字がかかれていた。あいにくその頃のみやにはひとつとして読めはしなかったが。
 何人かの人が立て札を見ていた。どうやら荷を背負った商売人らしい中年の男が書かれている内容を読み上げて説明をしている風だった。
 「戦働き…細作…これはかなりいい値をつけてるな。普通の忍びだったら三、四人は軽く雇えるのじゃないか。男一人…男を片付けて欲しいってことだろうかねえ…」
風呂敷包みを抱えて子供の手をひいた女が感心したようにうなずいていた。
 やがて辺りが薄暗くなってきて見物人も三々五々散ってしまうと、そこに残ったのはみやともう一人十五、六に見える娘だけになった。若い鹿のようにすらりと伸びた足とやや吊り気味の澄んだ瞳を持つ娘はみやの方を見て言った。
 「帰らないの?」
 「おねえさん…」
 「何?」
 「字が書ける?」

 あたしが矢立を持っていてよかったね、と言いながら娘は立て札に近づいた。みやが紙を持っていないことに気付くと、かまやしないよと立て札に貼ってある紙の余白に大きな字で書きつけ始めた。
 「おとこひとり…と。これでいいね」
よほど思いつめているように見えたのだろう。みやのような幼い子がどうして人殺しを依頼するのか、相手は誰なのか、そんなことをおねえさんは何も聞かなかった。依頼したとて全部が全部仕事を請けてもらえるわけではないのだから、書くだけ書いてやろうかと思っていたのかもしれなかった。
「ねえ、あんた。仕事の料金はどうするの。何て書いておく?他の人は金だの銀だの景気のいいことを書いてるよ」
「みや、と書いて」
「みやってあんたの名前かい?あんたで払うってこと?」
「うん」

隣のおばさんは若い頃都で男の人の相手をする仕事をしていたらしい。村の娘を何人も都から来る男に紹介していたようだった。そのおばさんがいつか言ったのだ。みやは母さんに似て美人になるだろうと。大きくなって都に行ったらきれいな着物を着て美味しいものを食べる暮らしができるよと。大きくならなくったって今だって大丈夫だ、と言いかけておばさんはあらいやだ、父さんには内緒だよと口の前に指を立てた。
あんなこどもじゃあ金にならんだろうとおばさんの亭主がおばさんに言うのをみやは帰りかけた背中で聞いた。ばかだね、あんたは。都にはね、いろんな人がいるんだよ。若い娘が好きなお人ばかりじゃない、年寄りがよかったり、太ってる女じゃないと嫌だと言ったり、おあしをたくさん持ってる人ほど妙な趣味をお持ちなんだから。あの子だったら今のままで充分高い値がつくさ。
話は半分もわからなかったけれどみやはなんだか背中がぞわぞわしたものだった。

 「聞いた話だがね」
と若者は口を開いた。
 「その昔、何やらいう貴族様のどら息子がいてご乱行をしていたようだ。父親の身分をかさにきて領地をまわっては酒をたかり女を漁り、やりたい放題だった。ずいぶん無理を通したらしくて敵もたくさん作ってね。その中の何人かがそいつを消したいと思ったそうだ。消したいやつらはそれを甲賀の風という忍びに依頼した」
 「え!?」
 「甲賀の風は高い報酬をとるかわり、腕の方もいいらしい。どら息子は娑婆とおさらば、もう悪さはできない。依頼したやつらは溜飲を下げ、甲賀の風に約束どおりたっぷり金をはずんだと」
 「でも…」
 「どうやら支払いは済んでたようだよ」

 みやが何も言えないでいるうちに若者は背を向けた。一歩踏み出しながら笑顔で振り返った。
 「別嬪になったな、みや」
あっけにとられていたみやが我にかえった時は、もうその背が遠くなりかけていた。
 「ありがとう…ありがとうございました」
必死で叫んだ声が届いたか、若者は背を向けたまま右手を軽く挙げた。後ろ姿が小さくなってやがて稜線の向こうに消えていった。

 みやの胸の奥からなにかが湧き出てくるようだった。その何かを抑えるようにみやは自分で自分の肩をぐっと抱きしめた。いつのまにか暖かな涙が頬を伝っていた。
 「ああ、でも覚えていてくださった」
口に出して言うと涙が胸で交叉した腕のうえにぽたぽたと落ちた。
 海からの風がみやの髪をなぶって吹きすぎていった。

 風は彼方の道まで吹いていった。もしかしたら若者が
 「ちょっと勿体なかったかな」
と独り言を言ったのを聞いたかもしれない。

by pleiad-subaru | 2008-08-02 21:44 | 兄ちゃんの話

のあ939 黒猫天国♪

このコは別の黒さんなんですよ~。
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セミ街道の近くで会いました♪近頃黒ねこさんに出会うことが多いのです。


キョウチクトウの白い花が咲いていました。
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これはたぶんアゲハじゃないかと思うんですが??
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フェンスにしがみついてました。アゲハ蝶っていうとポルノ・グラフィティの曲が頭の中で鳴り出す私です。



妹からメールが入りました。なぜかあの山古志村の近くに行ったんですって。
「ほ~ら、棚田」
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お友達の校長先生(女性)と旅行したらしいのですが、その人が妹のために“ミステリーツアー”を企画してくれるそうな。“旅のしおり”までついてるらしいですよ。マメですねえ。
のあままがこの間言ってましたが、遠足のお菓子は今は315円なんだそうです。15円は消費税ですね。永遠の疑問、バナナはお菓子に含まれますか??


「にゃにゃっ!!」
な、なに?
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「にゃ~くんだよ、ままままっ。よそのくろさんばっかりのせて、ぼくのでばんはにゃいのっ!?」
ごめんごめん。のあにはしばらく会ってないもんねえ。8日にのあんちに行くからその時にカメラ持っていくね。
「たのむよ、ままままぁ。え?ここ?ここはすみっこ。おちつくし、すずしいんだよぉ♪」
もうじきおとーしゃんとおかーしゃんがフランスへ行っちゃって、Kazu兄ちゃんとお留守番になるんだよ、とはとても言えない私でした(^_^;)

by pleiad-subaru | 2008-08-01 20:47 | にゃごの話